Japanese Soul Musician―Yutaka Ozaki | Social Stalking
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Japanese Soul Musician―Yutaka Ozaki


昔、不自然な死に方をした、Japanese Soul Musicianがいた。
私は彼が歌う内容に、一部自分の心境との共感を得て、振動を覚えた時代を過ごした。
それまであまり邦楽に対して嗜好を持っていなかった私にとって、
彼のクリアなボリュームは、奇妙な世界の一片を描く絵画のようだった。

都内で暮らしていた頃、住んでいたマンションの近くには、彼がよく出入りしていたというバーがあった。バーに掲示されていた「週刊誌」の張り紙から、彼が出入りしていたことを知った。
そのバーは、近所に住む元プロレスラーが経営する店だったが、今はもうその場所には無い。
学生時代に、彼の音楽を買い集め聴いていたことと、その関連性は偶然に過ぎない。
しかしそこで暮らしているうちに、幾つかの不思議なシンクロが、私の身の周りで渦巻いていることを知った。まるで導かれているかのようにさえ思ったこともあるくらい、「偶然の一致」が散らばっていた。後に知った、彼が住んでいた実家が、電車で十分ほどの、すぐ近くにあったという偶然を含めて。

私は彼の生い立ちや経歴などに関する知識には詳しくなかった。ただ、彼が亡くなったニュースを耳にしたときには、多くの方々と同様、ショックを受けた。周りの友人たちの反応といえば、それはとてもクールなものだった。というよりは率直に言って、彼を無意識的に嫌っているようだった。私の顔を見て突然「I Love You」を口ずさむ者たちが、知人を含め目立つようになっていった。戸惑いを覚えた時期もあった。私が他にも個性的な曲を聴いていることを知っている知人らが、なぜ彼のみにこだわるような振る舞いをみせてくるのかが理解できなかったが、あまり気にしないように努めていた。


それから数年後、クライアントがある信濃町駅ビルへ毎日のように出入りしていた。そこには大手広告会社社員らを含め多くの人々が頻繁に行き交っていた。赤坂のTBSへ出入りしていた時期もあった。そんな矢先、当時住んでいたマンションがTBSで放映されていた。また、近所の高田馬場で夜、食事をしていると、TBSクルーがどこからともなく突然現れ、取材を依頼してきたこともあった。有名コメディアンと婚約中のOプロ芸能関係者が一時期中途入社してきたこともあった。
そうした「ただの偶然」が散らばる、殺伐とした業務に明け暮れ続けた日々の中で、時々彼の歌声がふと耳元をかすめていくこともあった。私は当時、それ以上仕事を続けていたとしたら、現在ここでこうしてタイプを続けてはいないだろう。そこまで追い詰められていた時期だった。化粧室で吐血したとき、自分の顔を鏡でじっとみつめた。目に見えないストレスの蓄積にやばい、と思ったそのとき、彼の曲に表現されていた真意の断片を、本当の意味で実感した気がした。
その翌年、ポジとネガな心境が混じり合う中で、辞表をバックに差し込んでいた。
 

最近、彼のアルバムを引っ張りだし、久しぶりに彼の音楽に耳を傾けていた。
浅はかな日常を過ごしていた頃とは、また違う響きを持っていた。年を食って、感じ方は変わっても、やはりストレートに届くのは彼の音楽が「Soul Music」だからだろう。普遍的なものだから干からびることがない。
あるMusicianは、「自分の曲を古い新しいで見てほしくない」と語っていた。


いつまでも、歌い続けることを約束します―代々木オリンピックプールで彼は観客に告げていた。
この男ははいまでも多くの人に、その約束を守り続けていると思う。
私がもし老年期まで生きていたとしても、
そのときに、哲学書のページを捲るように聴いていたい音楽の中には、
彼の歌もストックされている。
彼は世の中にパージPurgeされていった、ソクラテスのような、
Soulな哲学者だったのではないかと思う。

2 March,2008 windyjuly

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